会社法人等番号を申請書に記載すれば,その法人の印鑑証明書を作成することが可能である登記所に限り,印鑑証明書の添付は不要

2020/03/31

【通達】令和2年 3月30日(民二)318号

令和2年3月30日法務省民二第318号

不動産登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う不動産登記事務等の取扱いについて(通達)

 不動産登記規則等の一部を改正する省令(令和2年法務省令第8号。以下「改正省令」という。)が本日から施行されることとなりましたが,これに伴う不動産登記事務等の取扱いについては,下記の点に留意し,事務処理に遺漏のないよう,貴管下登記官に周知方お取り計らい願います。
 なお,本通達中,「不登令」とあるのは不動産登記令(平成16年政令第379号)を,「不登規則」とあるのは改正省令による改正後の不動産登記規則(平成17年法務省令第18号)をいいます。また,その他の省令については,改正省令による改正後のものをいいます。
                         記

1 改正の趣旨
 不動産登記手続における添付書類の簡素化を行うため,令和元年6月21日に閣議決定された「成長戦略フォローアップ」等において,不動産登記手続において,本年度中に,異なる法務局間での法人の印鑑証明書の添付を不要とするとの方針が明らかにされた。
 そこで,改正省令においては,法人の代表者又は代理人が申請書等に記名押印した者である場合において,当該法人の会社法人等番号(商業登記法(昭和38年法律第125号)第7条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。以下同じ。)を申請情報の内容としたときは,登記官が記名押印した者の印鑑に関する証明書(以下,単に「印鑑証明書」という。)を作成することが可能である場合に限り,印鑑証明書の添付を要しないこととされるなどの所要の整備がされた。

2 改正に伴う不動産登記事務の取扱いについて

⑴ 法人が登記を申請する場合における印鑑証明書の取扱い

ア 会社法人等番号を申請情報の内容とした場合
 申請書に記名押印すべき者が会社法人等番号を有する法人の代表者又は代理人(委任による代理を除く。)である場合において,当該法人の会社法人等番号を不登令第7条第1項第1号イの規定により添付情報として提供するほか,さらに申請情報の内容にもしたときは,申請を受けた登記所の登記官が当該者の印鑑証明書を作成することができる場合に限り,当該者に係る印鑑証明書の提供を要しないこととされた(不登規則第48条第1号)。
 なお,会社法人等番号を申請情報の内容とするときは,申請書における添付情報の表示として「印鑑証明書(会社法人等番号何番)」の例により記載するものとする。
イ 会社法人等番号を申請情報の内容とするとともに印鑑証明書が提供された場合の取扱い 
 上記アの場合において,申請書に記名押印した者の印鑑証明書も添付情報として提供されたときは,当該印鑑証明書に基づき当該登記申請について調査を行っても差し支えない。

⑵ 委任による代理人によって登記を申請する場合における印鑑証明書の取扱い

ア 代理人(復代理人を含む。)の権限を証する情報に記名押印すべき者が会社法人等番号を有する法人の代表者又は代理人である場合において,当該法人の会社法人等番号を申請情報の内容としたときは,当該者に係る印鑑証明書の提供を要しないこととされた(不登規則第49条第2項第1号)。
イ この場合における取扱いについては上記(1)と同様である。

⑶ 申請書と併せて提供しなければならない同意又は承諾を証する情報を会社法人等番号を有する法人が作成した場合における当該法人の印鑑証明書の取扱い

ア 申請書と併せて提供しなければならない同意又は承諾を証する書面に記名押印すべき者が会社法人等番号を有する法人の代表者又は代理人である場合において,当該法人の会社法人等番号を申請情報の内容としたときは,当該者に係る印鑑証明書の提供を要しないこととされた(不登規則第50条第2項において準用する第48条第1号)。
イ この場合における取扱いについては上記(1)と同様である。

⑷ その他添付情報を会社法人等番号を有する法人が作成した場合における当該法人の印鑑証明書の取扱い

ア 要役地についてする地役権の登記がある土地について分筆の登記をする場合において,当該分筆の登記の申請情報と併せて当該地役権を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを証する地役権者が作成した書面に記名押印すべき者が会社法人等番号を有する法人の代表者又は代理人である場合において,添付情報の表示として「承諾書(会社法人等番号何番)」の例により申請書に記載したときは,当該者に係る印鑑証明書の提供を要しないこととする。
イ この場合における取扱いについては上記(1)と同様である。

⑸ 登記識別情報の失効の申出等の手続における印鑑証明書の取扱い

 登記識別情報の失効の申出(不登規則第65条)及び登記識別情報に関する証明の請求(不登規則第68条)の手続における印鑑証明書の取扱いについては,上記(1)及び(2)と同様である。

⑹ 不登規則第36条第1項各号の規定により提供される登記事項証明書の作成時期の改正

 申請人が会社法人等番号を有する法人である場合であっても,当該法人の代表者の資格を証する登記事項証明書又は支配人等の権限を証する登記事項証明書を提供したときは,会社法人等番号の提供を要しないとされているところ(不登令第7条第1項第1号及び不登規則第36条第1項各号),この登記事項証明書はその作成後3月以内のものでなければならないとされた(不登規則第36条第2項)。

⑺ 地図等の訂正の申出等の手続における登記事項証明書の取扱い

 地図等の訂正の申出(不登規則第16条),登記識別情報の失効の申出(不登規則第65条),登記識別情報に関する証明の請求(不登規則第68条)及び土地所在図等の訂正の申出(不登規則第88条)の手続における登記事項証明書の取扱いについては,上記(6)と同様である。

3 改正に伴う不動産登記以外の登記・登録事務の取扱について

 ⑴ 鉱害賠償登録の申請(鉱害賠償登録規則(昭和30年法務省令第47号)第20条及び第26条)については,上記2(1)及び(6)と同様である。

⑵ 企業担保権に関する登記の申請(企業担保登記規則(昭和33年法務省令第38号)第5条及び第12条)については,上記2(3)及び(6)と同様である。

⑶ 船舶の登記及び製造中の船舶の登記の申請(船舶登記規則(平成17年法務省令第27号)第21条及び第49条),農業用動産の抵当権に関する登記の申請(農業用動産抵当登記規則(平成17年法務省令第29号)第40条)及び建設機械の登記の申請(建設機械登記規則(平成17年法務省令第30号)第35条)については,上記2(1)から(3)まで及び(6)と同様である。
⑷ 夫婦財産契約に関する登記の申請(夫婦財産契約登記規則(平成17年法務省令第35号)第11条)については,上記2(2)と同様である。

 

 

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