(根)抵当権追加設定の前提として前登記(根)抵当権変更登記の要否
(根)抵当権追加設定の前提として前登記(根)抵当権についての変更登記の要否一覧表
変更事項 | 既存登記の変更登記の要否 | |
---|---|---|
普通抵当権 | 根抵当権 | |
債権額 | 不要 | - |
利 息 | 不要 | - |
損害金 | 不要 | - |
極度額 | - | 要 |
債権の範囲 | - | 要 |
債務者の住所氏名 | 不要 ※変更証明書添付 | 要 ※地番変更を伴わない行政区画変更のときは不要 |
(根)抵当権者の住所氏名 | 不要 ※変更証明書添付 | 要 ※地番変更を伴わない行政区画変更のときは不要 |
(根)抵当権者の合併・相続 | 要 | 要 |
取扱店 | 不要 | 不要 |
・昭和34年5月6日民事甲900号民事局長通達(抵当権設定契約後に債権額の一部を弁済した場合における抵当権設定登記の取扱い)は、追加担保としての抵当権の設定登記についても適用される。この場合、先に受けた抵当権の債権額の変更登記をしなくても差し支えない。(登記研究163号)
・共同根抵当権として登記されている一部の物件についてのみ極度額の増額登記がなされている場合に、変更後の極度額による追加共同根抵当権設定登記の申請は、49条2号により却下される。(登記研究362号)
・抵当権設定登記後利率の引下げがあった場合、利率引下げによる抵当権の変更登記をしなくても、引下げ後の利率を記載して追加抵当権設定の登記申請をすることができる。(昭41.12.1.民甲第3322号)
・抵当権設定登記後に貸付利率の引上げがあった場合、利率引上げによる抵当権の変更登記をしなくても、引上げ後の利率を記載して追加抵当権設定の登記を申請することができる。(登記研究529号)
・既登記抵当権の債務者の住所に変更があったが、その変更登記をしないまま、変更後の住所で債務者を表示した追加設定登記申請は、受理される。(登記研究425号)
・既登記抵当権の債務者の住所が住居表示実施により変更されている場合、住居表示実施証明書を添付してする変更後の債務者の住所を表示した抵当権の追加設定の登記は受理される。(登記研究572号)
・共同根抵当権の追加設定をする場合には、民法第398条の16の規定により「同一の債権の担保として」根抵当権を設定する必要があるため、追加設定する根抵当権の「極度額」、「被担保債権の範囲」及び「債務者」は、前の登記と同一の内容であることを要するが、前の登記の債務者の住所について、区制施行などの地番変更を伴わない行政区画の変更が行われた場合は、前の登記の債務者の変更の登記をすることなく、追加設定の登記をすることができる。
・甲・乙登記所に登記されている共同根抵当権に両登記所の管轄に属する物件を追加設定する場合において、債務者の住所に変更があるときは、両登記所の既登記の物件について、根抵当権変更の登記を完了した後、追加設定の登記を申請すべきである。(登研553号)
・追加担保による根抵当権の設定登記を申請する場合に、既に登記されている根抵当権の債務者の本店が住居表示の実施により変更されているときは、根抵当権の設定登記をする前提として、既に登記されている根抵当権について、債務者の表示の変更登記を要する。(登記研究545号)
・既登記抵当権の抵当権者の本店及び商号が変更されている場合、変更を証する書面を添付し、変更後の本店及び商号を表示した追加設定の登記の申請は、受理される。(登記研究560号)
・根抵当権の追加設定の登記を申請する場合において、前登記の根抵当権者の会社の本店の表示が旧本店で登記されているときは、変更を証する書面を添付してもその登記の申請は受理されない。(登記研究422号)
・根抵当権者の表示変更があった後に当該根抵当権について他の不動産を追加担保とする登記の申請をするときは、前提として根抵当権者の表示変更の登記を省略することはできない。(登記研究411号)
・既登記抵当権の抵当権者の住所が、市制の施行により、「甲郡乙町大字丙」が「乙市丙町」と変更されている場合、変更を証する書面を添付し、変更後の住所を表示した追加設定の登記の申請は受理される。(登記研究547号)
・区制施行により根抵当権の債務者の住所が変更した場合には、法59条の規定により、新住所に変更したものとみなされるので、追加共同根抵当権の設定登記を申請する場合において、債務者の住所が前登記の記載と一致しなくても、住所の変更を証する書面の添付があれば、根抵当権の変更登記を省略することができる。(登記研究536号)
・追加共同根抵当権設定登記を申請する場合において、債務者の住所が行政区画の変更又は名称変更により前登記の住所と一致しない場合は、前登記の債務者の住所変更登記を要する。(登記研究442号)
・被担保債権の範囲が「信用金庫取引、保証取引」と登記されている根抵当権に、その範囲を「信用金庫取引」とする追加設定の登記をするには、その前提として被担保債権の範囲の更正登記の申請(登記義務者は設定者)をしなければならない。(登記研究508号)
・根抵当権の追加設定登記を申請する場合において、根抵当権者の住所が、行政区画の変更等により、原根抵当権の登記の根抵当権者の表示と一致しない場合には、前提登記として原根抵当権の根抵当権者の表示変更登記を要する。(登記研究475号)
・株式会社A銀行が株式会社B銀行を吸収合併し,株式会社B銀行が有していた根抵当権について合併による根抵当権の移転の登記をした後に,同一の被担保債権の範囲で他の不動産について当該根抵当権の追加担保設定の登記をする場合の根抵当権者の表示は,「(何市何町何番地株式会社B銀行(平成○○年○○月○○日合併)の承継会社)何市何町何番地株式会社A銀行」とするのが適当である。(登記研究794号)
・取扱店の表示の異なる追加根抵当権設定登記申請は、受理される。(登記研究382号)