分筆登記の抵当権消滅承諾に関する質疑応答

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分筆登記と消滅承諾

要旨 抵当権設定登記のある土地を分筆する際、抵当権者が法83条3項の規定による消滅の承諾をしたが、分筆登記をする前に当該抵当権が第三者に移転登記がなされた場合には、分筆登記申請書に添付すべき消滅承諾を証する書面は移転登記後の抵当権者が作成したものであることを要する。

問  抵当権設定の登記がされている甲地を分割してその一部を乙地とする分筆の登記を申請するため、抵当権者が乙地について、その権利の消滅を承諾したところ分筆登記が申請される前に、その抵当権を第三者に移転する登記が完了した場合には、抵当権移転登記後の抵当権者の消滅承諾書が必要と考えますが、いかがでしょうか。

答  御意見のとおりと考えます。(登記研究481号)

分筆登記の際の抵当権者の消滅承諾

要旨 抵当権設定の登記がされている土地を分筆する場合、法83条3項による消滅承諾は、相続又は会社合併による抵当権移転の登記を省略(相続又は会社合併を証する書面を添付)して、合併後の抵当権者が証明することができる。

問  登記研究380号79頁〔5666〕によると、抵当権設定の登記がされている土地を分筆する場合、法83条3項による消滅承諾は、相続による抵当権移転の登記を省略して抵当権者の相続人から証明することはできない、とありますが、相続又は会社合併による抵当権移転の登記を省略して抵当権者の相続人(承継会社)から証明して差し支えないと考えますが、いかがでしょうか。

答  御意見のとおりと考えます。(登記研究478号)

分筆した土地につきする抵当権の消滅承諾

要旨 抵当権者が被相続人となっている抵当権設定登記のある土地を分筆した際、分筆後の1筆の土地の抵当権につきする消滅承諾は、当該相続人全員でしなければならない。

問  死亡者甲を抵当権者とする抵当権設定登記のある土地の分筆登記申請につき、分割後の1筆の土地につき抵当権の消滅の承諾をする甲の共同相続人には民法903条2項の特別受益者乙も含まれるでしょうか。

答  御意見のとおりと考えます。(登記研究471号)

添付書面の原本還付

要旨 分筆登記に添付する抵当権等一部消滅承諾書の印鑑証明書も原本還付することができる。

問  分筆登記に添付する抵当権等一部消滅承諾書の印鑑証明書などは原本還付できると思いますがいかがでしょうか。

答  御意見のとおりと考えます。(登記研究450号)

分筆登記に際し、所有権以外の権利の登記名義人の相続人が、その権利の消滅を承諾した場合の登記手続

要旨 分筆登記に際し、所有権以外の権利の登記名義人の相続人が、その権利の消滅したことを証する書面を添付したときは、法83条3項によって差し支えない。

問  法83条3項には、所有権以外の権利の登記名義人が乙地に関しその権利の消滅を承諾したことを証する書面を添付したときは、甲地の登記用紙中その権利に関する登記に、乙地に関しその権利の消滅した旨を付記するとありますが、右登記名義人が死亡している場合には、その相続人の承諾を証する書面により右取扱いをして差し支えないものと考えますが、いかがでしょうか。

答  御意見のとおりと考えます。(登記研究385号)

分筆登記の際の抵当権者の相続人からの消滅承諾

要旨 抵当権設定の登記がされている土地を分筆する場合、法83条3項による消滅承諾は、相続による抵当権移転の登記を省略して、抵当権者の相続人が証明することはできない。

問  抵当権設定の登記がされている甲地を分割してその一部を乙地とする分筆の登記を申請する場合、抵当権者が乙地について、その権利の消滅を承諾したことを証する書面を添付したときは、乙地について抵当権設定の登記の転写は要しないこととされています(法83条3項)が、この場合、抵当権者が既に死亡しているときは、次の甲説で差し支えないと思いますがいかがでしょうか。

(甲説)相続による抵当権移転の登記を省略して、抵当権者の相続人から相続証明書を添付して消滅承諾書で差し支えない。
(乙説)相続による抵当権移転の登記をした後、移転後の抵当権者の消滅承諾書を添付すべきである。

答  乙説によるのが相当と考えます。(登記研究380号)

根抵当権が設定されている土地が分筆されたがその分筆が錯誤であった場合の取扱い

要旨 根抵当権が設定されている甲地を、甲地、乙地及び丙地に分筆するに際し、分筆後の乙地及び丙地については根抵当権を消滅させる旨の承諾書を添付して分筆の登記がなされた後に、丙地の分筆が錯誤であることを発見した場合でも、分筆錯誤を原因とする登記の申請はすることができない。

問  根抵当権が設定されている甲地を、甲地、乙地及び丙地に分筆するに際し、分筆後の乙地及び丙地については根抵当権を消滅させる旨の承諾書を添付して分筆の登記を終えました。しかし、その後、分筆後の丙地について錯誤がある(分筆すべきでなかった)ことを発見したが、これを是正するための方法としては、次のいずれによるべきか。

(1) 甲地に根抵当権が設定されたままの状態で、丙地のみを錯誤により一部分筆抹消の登記をする。
(2) 錯誤を原因として分筆登記の全部抹消の登記をする(昭和38、12、28民甲3374号通達参照)。
(3) 分筆が錯誤であっても、根抵当権を消滅させたことが錯誤であるとは限らないので、分筆錯誤による登記は認められないから、甲地の根抵当権を抹消の上、甲丙の両地を合筆し、改めて根抵当権を設定する。

答  (3)によるべきものと考えます。(登記研究380号)

代物弁済の仮登記の転写

要旨 抵当権登記及び当該抵当権の債務不履行を停止条件とする代物弁済の仮登記のある土地の分筆登記をする場合において、抵当権者が分割した乙地について抵当権の消滅を承諾し、その承諾書の添付があっても、右の停止条件付代物弁済契約による所有権移転仮登記の転写を省略することはできない。

問  甲地を分割してその一部を乙地となした場合の分筆登記申請書に、乙地につき抵当権の消滅を承諾した書面の添付があった場合は、代物弁済による所有権移転請求権保全の仮登記の転写をも省略して差し支えないか。

答  省略できない。なお、この場合、甲地の登記用紙中、その仮登記に関する停止条件の記載が、「乙区第何番の抵当権の債務をその弁済期に弁済しないときは代物弁済として所有権を移転する」というように、抵当権登記の記載を援用している場合は、「年月日金銭消費貸借契約に基づく債権額金何円の債務をその弁済期何年何月何日に弁済しないときは代物弁済として所有権を移転する」というように、引き直して転写するのが相当である。(登記研究80号)

分筆後の土地の一部についての抵当権の消滅承諾と共同担保の旨の記載

要旨 共同担保たる甲乙2筆のうち甲地を分割してその一部を丙地とした場合において、丙地についての抵当権の消滅の承諾書を添付して分筆の登記の申請があった場合には、丙地につき抵当権が消滅したことを乙地の抵当権の登記に付記し、更に右の分筆の登記により、先に乙地にしてある共同担保の旨の記載に変更を生じたときは、その旨を付記する。

問  甲乙2個の土地につき共同担保の抵当権設定登記がある場合、甲地を分割して甲地と丙地とし、分割した丙地につき、抵当権の一部消滅の承諾ありたる場合には、甲乙2個の土地にその旨付記する必要がないか。

答  所問は、甲地につき分割の登記をする場合と解するが、この場合には、甲地の抵当権の登記については、丙地について抵当権の消滅したことを付記し(法83条3項)、更に右の分割登記をしたことにより、先に乙地の抵当権の登記に記載した甲地と共に権利の目的である旨の表示に変更を生じた場合、すなわち、甲地と共同担保である旨を甲地の地番等をもって表示しており、その甲地の地番等が分割により変更を生じた場合には、その旨の付記をすることとなる(法126条1項後段)。(登記研究73号)

分筆後の土地に関する地上権の放棄

要旨 土地の分筆登記の申請書に、地上権者の分割後の土地に地上権の放棄を承諾した旨の書面を添付したときは、当該分割後の土地について、地上権は消滅する。

問  地上権設定登記ある土地を、所有者が分割して売買による所有権移転登記を申請する場合には、法81条の規定により地上権者の承諾書を要すると思いますが、この場合、地上権者の承諾書に、分筆を承諾しかつ分筆した土地の地上権は(ただし、分筆によって新しく起きた地番の土地についてのみ)放棄する旨を記載すれば、分筆前の地上権は、分割地に移らないでしょうか。また、この場合の承諾書の書式は抵当権の場合を準用してよいでしょうか。

 答  御意見のとおり(法84条参照)。(登記研究37号)

 

2018/07/25

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