低未利用土地権利設定等促進計画(都市再生特別措置法第109条の8)に係る土地 又は建物の登記の特例について
「権利移転等の促進計画に係る土地についての不動産登記に関する政令の一部を改正する政令(平成 30 年政令第 203 号)」及び「不動産登記令第四条の特例等を定める省令の一部を改正する省令(平成 30 年法務省令第 20 号)」が平成30年7月11日公布・平成30年7月15日施行されました。
改正の概要
低未利用土地権利設定等促進計画(都市再生特別措置法第109条の8)に係る土地又は建物の登記の特例について
都市再生特別措置法等の一部を改正する法律(平成30年法律第22号),権利移転等の促進計画に係る土地についての不動産登記に関する政令の一部を改正する政令(平成30年政令第203号),不動産登記令第四条の特例等を定める省令の一部を改正する省令(平成30年省令第20号)並びに所得税法等の一部を改正する法律(平成30年法律第7号)及び租税特別措置法施行規則等の一部を改正する省令(平成30年財務省令第26号)のうちの低未利用土地権利設定等促進計画に関する規定が平成30年7月15日に施行されるところ,その概要は,次のとおりである。
1 趣旨
空き地や空き家等の低未利用土地(注)は,地権者の利用動機が乏しく,また,小さく散在するため使い勝手が悪いことなどが指摘されていた。そこで,都市再生特別措置法等の一部を改正する法律により,市町村において,低未利用土地の利用に向けた行政の能動的な働きかけを可能とするため,低未利用土地権利設定等促進計画の制度が創設された。
(注)居住の用,業務の用その他の用途に供されておらず,又はその利用の程度がその周辺の地域における同一の用途若しくはこれに類する用途に供されている土地の利用の程度に比し著しく劣っていると認められる土地
2 特例の概要
(1) 民法の特例
市町村が所有権の移転等(所有権の移転又は地上権,賃借権若しくは使用貸借による権利の設定若しくは移転をいう。以下同じ。)の対象となる土地について権利を有する者の同意を得て,一括して低未利用土地権利設定等促進計画を作成し,これを公告することにより,個別の当事者間の契約によることなく所有権の移転等の効力が生ずることとされた(改正後の都市再生特別措置法(平成14年法律第22号)第109条の6,第109条の8及び第109条の9)。
(2) 不動産登記法の特例
低未利用土地権利設定等促進計画に基づく所有権の移転等については,市町村が権利取得者に代わって登記の嘱託を行うことができることとされた(同法第109条の10,改正後の権利移転等の促進計画に係る不動産の登記に関する政令(平成6年政令第258号)第2条等)。
(3) 登録免許税法の特例
低未利用土地権利設定等促進計画に基づく所有権の移転等の登記に係る登録免許税の税率は,公告があった日以降1年以内に市町村長の証明書を添付して登記を受ける場合には,所有権の移転の登記は1000分の10,地上権又は賃借権の設定又は移転の登記は1000分の5とされた。(改正後の租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第83条の2,改正後の租税特別措置法施行規則(昭和32年大蔵省令第15号)第31条の4の2)。