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遺言書保管事務取扱手続準則の制定について(法務省民商第97号)

法務省民商第97号
令和2年5月11日

法 務 局 長 殿
地方法務局長 殿

法務省民事局長
( 公 印 省 略 )

遺言書保管事務取扱手続準則の制定について(通達)

 標記準則を別添のとおり制定し,本年7月10日から実施することとしましたので,貴職において指定する遺言書保管所における事務を取り扱う遺言書保管官(法務局における遺言書の保管等に関する法律(平成30年法律第73号)第3条)に周知方取り計らい願います。


(別添)

遺言書保管事務取扱手続準則

第1章 総則
第2章 遺言書の保管の申請手続等
第3章 遺言者による遺言書の閲覧の請求手続等
第4章 関係相続人等による遺言書情報証明書の交付の請求手続等
第5章 審査請求
第6章 補則


第1章  総則

(趣旨)
第1条  法務局における遺言書の保管等に関する法律(平成30年法律第73号。以下「法」という。) 第2条第1項に規定する法務大臣の指定する法務局が遺言書保管所としてつかさどる事務の取扱いについては,法令に定めるもののほか,この準則によるものとする。

(事故等の報告)
第2条  遺言書保管官は,遺言書の保管に関する事務に関して事故その他の異状を認めたときは,速やかに, 当該遺言書保管官を監督する法務局又は地方法務局の長にその旨を報告するものとする。

(遺言書保管官の交替)
第3条  遺言書保管官は,その事務を交替するときは,法第4条第1項の申請に係る遺言書のほか, 遺言書保管ファイル,申請書等(法務局における遺言書の保管等に関する政令( 令和元年政令第178号。以下「令」という。)第10条第1項に規定する申請書等をいう。以下同じ。) 及び撤回書等( 同条第2項に規定する撤回書等をいう。以下同じ。) その他の帳簿等を点検した上で,事務を引き継ぐものとする。
2  前項の規定により事務の引継ぎを受けた遺言書保管官は, 引き継いだ帳簿等を調査して,当該遺言書保管官を監督する法務局又は地方法務局の長にその調査結果を記載した別記第1号様式による報告書を提出するものとする。

(遺言書保管官の職務の代行)
第4条  遺言書保管官が出張その他の事由により職務を行うことができないときは,法務局又は地方法務局の長は,その職務を代行する者を定めることができる。

(遺言書の保管の方法)
第5条  遺言書保管官は,遺言書を保管番号の順序に従ってつづり込んで保管するものとする。

(遺言書の適切な保管)
第6条  遺言書保管官は,遺言書の滅失又は毀損の防止その他の遺言書の適切な保管のために必要な措置を講ずるものとする。

(遺言書等の持出)
第7条  遺言書保管官は,事変を避けるために遺言書,申請書等,撤回書等及び遺言書保管ファイルを遺言書保管所外に持ち出したときは,速やかに, その旨を当該遺言書保管官を監督する法務局又は地方法務局の長に報告するものとする。
2 前項の報告は,別記第2号様式による報告書によりするものとする。

(裁判所への関係書類の送付)
第8条  遺言書保管官は,法務局における遺言書の保管等に関する省令(令和 2年法務省令第33号。以下「省令」という。) 第2条の規定により裁判所に関係書類を送付するときは, 該当する書類の写しを作成して,当該関係書類が返還されるまでの間,これを保管するものとする。
2 遺言書保管官は, 前項の関係書類を送付するときは,当該関係書類をつづり込んでいた箇所に, 裁判所の命令書又は嘱託書及びこれらの附属書類を同項の規定により作成した写しと共につづり込むものとする。
3 遺言書保管官は, 第1項の関係書類が裁判所から返還された場合には,当該関係書類を前項の命令書又は嘱託書の次につづり込むものとする。この場合には,第1項の規定により作成した写しを廃棄するものとする。
4 前3項の規定は, 裁判官の発する令状に基づき検察官,検察事務官又は司法警察職員( 以下「捜査機関」という。) が関係書類を押収する場合について準用する。

(遺言書保管申請書等つづり込み帳等)
第9条  遺言書保管申請書等つづり込み帳又は請求書類つづり込み帳(以下「遺言書保管申請書等つづり込み帳等」という。) には, それぞれ申請書等及び撤回書等又は閲覧請求等(省令第3条第2項第2号に規定する閲覧請求等をいう。以下同じ。) に係る書類を受け付けた順に従ってつづり込むものとする。
2 遺言書保管官は, 遺言書保管申請書等つづり込み帳等を格納するときは,処理未済又は印紙の異状の有無を調査して,その調査結果を遺言書保管申請書等つづり込み帳等の表紙( 裏面を含む。) の適宜の箇所に記載し, これに認印を押印するものとする。

(必要帳簿)
第10条  遺言書保管所には, 省令で定めるもののほか,次に掲げる帳簿を備えるものとする。
⑴送付書類等受発送簿
⑵保管証等用紙管理簿
⑶遺言書保管返戻通知関係書類つづり込み帳
⑷再使用証明申出書類等つづり込み帳
⑸雑書つづり込み帳
2 次の各号に掲げる帳簿には,当該各号に定める事項を記載するものとする。
⑴送付書類等受発送簿 他の帳簿に記載しない書類の発送及び受領に関する事項
⑵保管証等用紙管理簿 保管証,遺言書情報証明書及び遺言書保管事実証明書の作成に使用する用紙の管理に関する事項
3 次の各号に掲げる帳簿には,当該各号に定める書類をつづり込むものとする。
⑴遺言書保管返戻通知関係書類つづり込み帳 省令第48条第2項(第3 5条第2項において準用する場合を含む。) の書面を送付した場合において,配達不能等により返戻された当該書面
⑵再使用証明申出書類等つづり込み帳 収入印紙に係る再使用証明申出書及び償還に関する書類
⑶雑書つづり込み帳 他の帳簿につづり込まない書類

(保存期間)
第11条  次の各号に掲げる帳簿の保存期間は,当該各号に定めるとおりとする。
⑴送付書類等受発送簿 当該年度の翌年度から3年間
⑵保管証等用紙管理簿 当該年度の翌年度から1年間
⑶遺言書保管返戻通知関係書類つづり込み帳 当該年度の翌年度から5年間
⑷再使用証明申出書類等つづり込み帳 当該年度の翌年度から5年間
⑸雑書つづり込み帳 当該年度の翌年度から1年間

(帳簿の様式)
第12条  次の各号に掲げる帳簿の様式は,当該各号に定めるところによるものとする。
⑴遺言書保管関係帳簿保存簿 別記第3号様式
⑵送付書類等受発送簿 別記第4号様式
⑶保管証等用紙管理簿 別記第5号様式
2 省令第3条第1項第3号及び第4号に掲げる帳簿並びに第10条第1項各号に掲げる帳簿の表紙は,別記第6号様式によるものとする。

(つづり込みの方法)
第13条  省令第3条第1項第3号及び第4号に掲げる帳簿並びに第10条第 1項各号に掲げる帳簿は,1年度ごとに別冊とするものとする。ただし, 1年度ごとに1冊とすることが困難なときは,分冊して差し支えない。
2 前項本文の規定にかかわらず,所要用紙の枚数が少ない帳簿については,数年度分を1冊につづり込むことができる。この場合には, 1年度ごとに小口見出しを付する等して年度の区別を明らかにするものとする。

(廃棄処分等)
第14条  遺言書保管官は,省令第5条の認可を受けようとするときは,当該遺言書保管官を監督する法務局又は地方法務局の長に別記第7号様式による申請書を提出するものとする。

(申請その他の手続の予約)
第15条  法,令又は省令に基づく申請, 届出,撤回又は請求(次条第1項において「申請その他の手続」という。)( 書面を送付する方法により行われる場合を除く。)の受付は,予約により行うことができる。

(受付等)
第16条  申請書,届出書,撤回書又は請求書が提出されたときは,申請その他の手続ごとの受付の年月日を表示した書面( 以下「受付票」という。) を印刷するものとする。
2 受付票には,受付,本人確認等をした都度,該当欄に担当者が押印するものとし,これを申請書,届出書,撤回書又は請求書と共に遺言書保管申請書等つづり込み帳等につづり込むものとする。
3 遺言書保管官は, 法第4条第1項の申請を却下しなければならない場合であっても,遺言書保管官が相当と認めるときは,事前にその旨を申請人に告げ,その申請の取下げの機会を設けることができる。

(本人確認)
第17条  省令3条各号に掲げる方法により書類の提示を受けたときは,遺言書保管官は,当該書類を提示した者の同意を得て,当該書類の写しを作成し,申請書,撤回書,請求書又は取下書と共につづり込むものとする。ただし,当該者の同意が得られないときは,この限りでない。
2 遺言書保管官は, 省令第13条各号に掲げる方法により確認を行ったときは,受付票に確認済みの旨( 前項ただし書の場合においては,確認済みの旨及び提示された書類の種類, 証明書番号その他書類を特定することができる番号等の書類の主要な内容) を記載するものとする。

(原本還付の旨の記載)
第18条  省令第8条第3項の原本還付の旨の記載は,謄本の最初の用紙の表面余白に別記第8号様式による印版を押印してするものとする。

第2章 遺言書の保管の申請手続等

(指定する者への通知に関する申出等)
第19条  法第4条第1項の申請がされた場合において,遺言書保管官は,遺言者に対し,遺言書保管官が当該遺言者の死亡時に当該遺言者が指定する者(当該遺言者の推定相続人( 相続が開始した場合に相続人になるべき者をいう。) 並びに当該申請に係る遺言書に記載された法第9条第1項第2号及び第3号に掲げる者のうちの一人に限る。) に対し当該遺言書を保管している旨を通知することの申出の有無を確認するものとする。
2 前項の申出は,別記第9号様式による申出書を提出する方法により行わせるものとする。
3 第1項の申出がされたときは,前項の申出書に記載された事項を遺言書保管ファイルに付記するものとする。

(保管証の写しの作成等)
第20条  省令第15条第2項の規定により保管証を作成するときは, 当該保管証の写しを作成し,これを遺言書と共につづり込むものとする。
2 遺言書保管所において法第6条第5項の規定により遺言書を廃棄するときは,前項の規定により作成した保管証の写しにその旨を記載するものとする。法第8条第4項の規定により遺言書を返還したときも,同様とする。

(保管証の廃棄)
第21条  遺言書保管官は,省令第17条の規定により保管証を廃棄するときは,受付票にその旨を記載するものとする。

(申請の却下)
第22条  省令第18条第1項の決定書は,別記第10号様式又はこれに準ずる様式によるものとし,申請人に交付するもののほか,遺言書保管所に保存すべきものを1通作成するものとする。
2 遺言書保管官は, 前項の遺言書保管所に保存すべき決定書の原本の欄外に決定告知の年月日及びその方法を記載して認印を押印し,これを決定原本つづり込み帳につづり込むものとする。
3 遺言書保管官は, 法第4条第1項の申請を却下したときは,手数料納付用紙に貼付された収入印紙に係る賠償償還の手続をした上で, 受付票に却下した旨を記載し,これを申請書と共に遺言書保管申請書等つづり込み帳につづり込むものとする。
4 遺言書保管官は, 省令第18条第2項の規定により申請人に送付した決定書の原本が所在不明等を理由として返戻されたときは,当該決定書の原本を申請書と共に遺言書保管申請書等つづり込み帳につづり込むものとする。
5 遺言書保管官は, 省令第18条第3項ただし書の規定により添付書類を還付しなかった場合は, 受付票にその理由を記載するものとする。この場合において,還付しなかった添付書類は,申請書と共に遺言書保管申請書等つづり込み帳につづり込むものとする。
6 捜査機関が申請書又は省令第18条第3項ただし書の規定により還付しなかった添付書類の押収をしようとするときは,これに応ずるものとする。この場合には, 押収に係る書類の写しを作成し,当該写しに当該捜査機関の名称及び押収の年月日を記載した上,当該書類が捜査機関から返還されるまでの間,前項の規定により遺言書保管申請書等つづり込み帳につづり込むべき箇所に当該写しをつづり込むものとする。

(却下の場合の措置)
第23条  遺言書保管官は,令第2条の規定により却下しようとするときは,事案の内容が簡単なものを除き,当該遺言書保管官を監督する法務局又は地方法務局の長に内議するものとする。

(申請の取下げ)
第24条  省令第19条第1項の取下書には,申請の受付の年月日その他の取下げに係る申請を特定することができる事項を記載し,これを遺言書保管申請書等つづり込み帳につづり込むものとする。
2 遺言書保管官は, 法第4条第1項の申請が取り下げられた場合において,手数料納付用紙に収入印紙が貼り付けられていないときは, 受付票に「貼付印紙なし」と記載して,これに認印を押印するものとする。
3 第22条第5項及び第6項の規定は, 省令第19条第4項後段において準用する省令第18条第3項ただし書の規定により添付書類を還付しない場合について準用する。

(遺言書保管ファイルの記録の処理)
第25条  遺言書保管ファイルには,法第4条第1項の申請に係る申請書に記載された事項のうち受遺者等( 遺言書に記載された法第9条第1項第2号に掲げる者)及び遺言執行者等( 遺言書に記載された同項第3号に掲げる者)の出生の年月日並びに会社法人等番号を付記するものとする。

第3章 遺言者による遺言書の閲覧の請求手続等

(遺言者による遺言書等の閲覧)
第26条  遺言書保管官は,遺言者に遺言書又は遺言書保管ファイルの記録の閲覧をさせるときは,次に掲げるところによるものとする。
⑴遺言書の枚数を確認する等その抜取り及び脱落の防止に努めるものとする。
⑵遺言書の汚損,記入及び改ざんの防止に厳重に注意するものとする。
⑶請求に係る部分以外を閲覧しないように厳重に注意するものとする。
⑷閲覧者が筆記するときは,毛筆及びペンの使用を禁じ,遺言書を下敷にさせないものとする。
2 前項の場合において,遺言者に遺言書保管ファイルの記録の閲覧をさせるときは,第19条第3項及び前条の規定により付記された事項についても閲覧させるものとする。

(その他の事項の変更の届出)
第27条  遺言者の法第4条第1項の申請に係る遺言書が遺言書保管所に保管されている場合において,当該申請に係る申請書に記載された省令第11条第2号に掲げる事項, 第25条の規定により遺言書保管ファイルに付記する事項又は別記第9号様式の記載事項に変更が生じたときは, 省令第30条の規定の例に準じて届出をさせるものとする。

(職権による記録の変更)
第28条  法第7条第1項の規定により保管する遺言書に係る情報の管理をする遺言書保管官は, 遺言書保管ファイルの記録に遺言書保管官による錯誤又は遺漏があることを発見したときは,遅滞なく, 遺言書保管ファイルの記録を変更するものとする。

(遺言者による申請書等の閲覧)
第29条  第26条第1項の規定は,遺言者に申請書等又は撤回書等の閲覧をさせる場合について準用する。

第4章 関係相続人等による遺言書情報証明書の交付の請求手続等

(遺言書情報証明書等の作成の場合の注意事項等)
第30条  遺言書情報証明書又は遺言書保管事実証明書(以下「遺言書情報証明書等」という。) を作成して交付するときは, 次に掲げるところによるものとする。
⑴遺言書保管官は,作成した遺言書情報証明書等が請求書に係るものであることを確認するものとする。
⑵遺言書情報証明書等は, 鮮明に作成するものとする。
⑶遺言書情報証明書等が2枚以上であるときは,当該遺言書情報証明書等の各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載するものとする。
⑷認証文, 認証者の職氏名及び認証日付の記載並びに職印等の押印は,整然と,かつ,鮮明にするものとする。
⑸遺言書保管官は,前号の認証文,認証者の職氏名及び認証日付並びに職印に間違いがないことを確認するものとする。
2 遺言書保管官は, 請求人が受領しないため交付することができないまま1月を経過した遺言書情報証明書等があるときは,受付票に「交付不能」と記載して,当該遺言書情報証明書等を廃棄して差し支えない。

(遺言書情報証明書等の認証文)
第31条  遺言書情報証明書等の認証文は,次のようにするものとする。
⑴遺言書情報証明書 「上記のとおり遺言書保管ファイルに記録されていることを証明する。」
⑵遺言書保管事実証明書 次のアからエまでに掲げる場合に応じ,それぞれアからエまでに定めるもの
ア 請求人の資格が相続人であり,かつ,関係遺言書が遺言書保管所に保管されている場合 「上記の遺言者の申請に係る遺言書が遺言書保管所に保管され, 上記のとおり遺言書保管ファイルに記録されていることを証明する。」
イ 請求人の資格が相続人以外であり,かつ, 関係遺言書が遺言書保管所に保管されている場合 「上記の遺言者の申請に係る請求人を受遺者 等( 遺言書に記載された法務局における遺言書の保管等に関する法律 第9条第1項第2号に掲げる者) 又は遺言執行者等( 遺言書に記載さ れた同項第3号に掲げる者)とする遺言書が遺言書保管所に保管され, 上記のとおり遺言書保管ファイルに記録されていることを証明する。」
ウ 請求人の資格が相続人であり,かつ,関係遺言書が遺言書保管所に保管されていない場合 「上記の遺言者の申請に係る遺言書が遺言書保管所に保管されていないことを証明する。」
エ 請求人の資格が相続人以外であり,かつ, 関係遺言書が遺言書保管所に保管されていない場合 「上記の遺言者の申請に係る請求人を受遺者等( 遺言書に記載された法務局における遺言書の保管等に関する法律第9条第1項第2号に掲げる者) 又は遺言執行者等( 遺言書に記載された同項第3号に掲げる者) とする遺言書が遺言書保管所に保管されていないことを証明する。」

(職氏名の記載)
第32条  遺言書情報証明書等に遺言書保管官が職氏名を記載するときは,次のようにするものとする。

 何法務局(何地方法務局)何支局(何出張所)
 遺言書保管官 何 某

(関係相続人等による遺言書等の閲覧)
第33条  第26条第1項の規定は,関係相続人等に遺言書又は遺言書保管ファイルの記録の閲覧をさせる場合について準用する。

(関係相続人等による申請書等の閲覧)
第34条  第26条第1項の規定は,関係相続人等に申請書等又は撤回書等の閲覧をさせる場合について準用する。

(第19条第1項の申出に基づく通知)
第35条  第19条第1項の申出があった場合において,遺言書保管官は,遺言者の死亡の事実を確認したときは,その申請に係る遺言書を保管している旨を当該遺言者が指定した者に通知するものとする。
2 前項の通知については,省令第48条第2項及び第3項の規定を準用する。

第5章 審査請求

(審査請求の受理)
第36条  遺言書保管官は,法第16条第1項の審査請求について,行政不服審査法(平成26年法律第68号)第19条第1項の規定に基づく審査請求書を受け取ったときは,送付書類等受発送簿にその旨を記載するものとする。

(相当の処分)
第37条  遺言書保管官は,法第16条第3項の規定により相当の処分をしようとする場合には, 事案の簡単なものを除き,当該遺言書保管官を監督する法務局又は地方法務局の長に内議するものとする。この場合には,審査請求書の写しのほか,審査請求に係る申請却下の決定書の写し, 申請書の写しその他相当の処分の可否を審査するために必要な関係書類を併せて送付するものとする。
2 第39条第1項の規定は, 遺言書保管官を監督する法務局又は地方法務局の長が前項の内議につき指示しようとする場合について準用する。
3 遺言書保管官は, 相当の処分をしたときは,当該処分の内容を別記第11号様式による通知書により審査請求人に通知するものとする。
4 前項の処分をしたときは, 遺言書保管官は,その処分に係る却下決定の取消決定書その他処分の内容を記載した書面を2通作成して, その1通を審査請求人に交付し,他の1通を審査請求書類等つづり込み帳につづり込むものとする。
5 前項の場合には, 遺言書保管官は,当該処分の内容を別記第12号様式により当該遺言書保管官を監督する法務局又は地方法務局の長に報告するものとする。

(審査請求事件の送付)
第38条  遺言書保管官は,法第16条第4項前段に規定する審査請求事件を送付する場合には,別記第13号様式による意見を記載した書面(以下この条において「意見書」という。) を付してするものとする。この場合において,意見書は,正本及び当該意見書を送付すべき審査請求人の数に行政不服審査法第11条第2項に規定する審理員の数を加えた数に相当する通数の副本を送付しなければならない。
2 前項の規定により審査請求事件を送付する場合には,遺言書保管官は,審査請求書の正本のほか,審査請求に係る申請却下の決定書の写し,申請書の写しその他の審査請求の理由の有無を審査するのに必要な関係書類を送付するものとする。
3 遺言書保管官は, 審査請求事件を送付したときは,審査請求書及び意見書の各写しを審査請求書類等つづり込み帳につづり込むものとする。
4 法第16条第4項後段の規定による意見の送付は,意見書の副本のほか,別記第14号様式による送付書に第2項の規定により送付された関係書類を添付するものとする。

(審査請求についての裁決)
第39条 法務局又は地方法務局の長が審査請求につき裁決をするには,次に掲げるところによるものとする。
⑴地方法務局の長は, 審査請求の内容に問題がある場合には, 当該地方法務局を監督する法務局の長に内議すること。
⑵法務局の長は,審査請求につき裁決をする場合又は内議を受けた場合において, 審査請求の内容に特に問題があるときは,当職に内議すること。
2 審査請求に対する裁決は,別記第15号様式による裁決書によるものとし,行政不服審査法第42条第1項に規定する審理員意見書を添付するものとする。
3 法務局又は地方法務局の長は,審査請求につき裁決をしたときは, その裁決書の写しを添えて当職にその旨を報告( 地方法務局の長にあっては,当該地方法務局を監督する法務局の長を経由して)するものとする。

(審査請求に対する措置)
第40条  法務局又は地方法務局の長は, 審査請求につき裁決をしたときは,裁決書の謄本( 審理員意見書の写しを含む。) を審査請求人及び遺言書保管官に交付するものとする。
2 遺言書保管官が前項の裁決書の謄本を受け取ったときは, 送付書類等受発送簿にその旨を記載し,審査請求書類等つづり込み帳につづり込んだ審査請求書の写しの次につづり込むものとする。

第6章 補則

(過納手数料の還付)
第41条  保管の申請又は閲覧請求等に係る手数料が過大に納められたときは,遺言書保管官は,申請人又は請求人からの請求により, 過大に納付された手数料の額に相当する金額の金銭を還付するものとする。

(再使用証明)
第42条  申請人又は請求人が保管の申請又は閲覧請求等を取り下げた場合において,当該者から申請書又は請求書の手数料納付用紙に貼付された収入印紙で消印されたものについて当該取下げの日から1年以内に当該遺言書保管所における申請又は閲覧請求等において再度使用したい旨の申出が別記第1 6号様式による再使用証明申出書の提出によりされたときは,遺言書保管官は,当該手数料納付用紙の余白に別記第17号様式による印版を押印して,再使用することができる印紙の金額,証明の年月日及び証明番号を記載し,これに認印を押印するものとする。
2 遺言書保管官は, 前項の手続を執ったときは, 再使用証明申出書に証明の年月日及び証明番号を記載するものとする。

(再使用証明後の賠償償還手続)
第43条  遺言書保管官は,前条の規定により証明を受けた者から再使用証明をした収入印紙について賠償償還の申出があったときは,同条第1項の規定により記載した再使用証明文を朱抹し,再使用証明を施した用紙及び再使用証明申出書の見やすい箇所に「再使用証明失効」と朱書し, これに認印を押印するものとする。

(再使用証明収入印紙の使用)
第44条  遺言書保管官は,再使用証明をした収入印紙を使用して申請又は閲覧請求等があった場合には, 第42条第1項の規定により記載した証明番号の下に「使用済」と朱書して,これに認印を押印するものとする。
2 遺言書保管官は, 前項の場合には,再使用証明申出書に「使用済」と朱書して,これに認印を押印するものとする。
3 前2項の規定にかかわらず,第42条の規定により再使用証明をした日から1年を経過した収入印紙の再使用は認めないものとし,申請人又は請求人の請求により賠償償還の手続を執るものとする。
4 前項の規定により賠償償還の手続を執ったときの事務の取扱いについては,前条の例によるものとする。


別記第1号様式(第3条第2項関係)

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