抵当権者の取扱店の表示として「東京営業部」は差支えないが、「本店営業部」は登記すべきでない
抵当権者の取扱店の表示について(昭和55年)
(要旨)抵当権者の取扱店の表示として「東京営業部」は差支えないが、「本店営業部」は登記すべきでない。
(問題)商法上の支店で、取引上その名称が「東京営業部」として扱われているものについては、抵当権の登記事項中、抵当権者の取扱店として表示して差支えないものと考えるがどうか。また、「本店営業部」についてはどうか。
(協議結果)前段=意見のとおり。後段=登記すべきでないものと考える。
(解説)取扱店の表示を認める趣旨は、民事執行の際における裁判所から抵当権者への通知事務の迅速化を図るための便宜的措置であることから、前段の事例を否定的に解する必要はなく(登記研究第391号109頁の「質疑応答」が否定的見解を示している理由は、質問全体で「登記することを認められる支店に該当せず」等と限定しているためと考える。)、他方、後段の事例については、商法上の支店たる地位にある組織であるかどうかなどにかかわりなく、外観的には本店内部の組織として前記の通知事務等に不便を来すことはあり得ないことから、便宜的措置を認める必要はないとして否定的な見解が多数を占めた。
なお、登記官の審査権限上、取扱店の支店の登記の有無及び取引活動上の名称について、特に疎明資料を求める必要はないとの意見で一致した。
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