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登記記録上の住所Aから①A→B、②B→A、③A→Cと住所移転した場合の所有権登記名義人住所変更登記に添付すべき登記原因証明情報は、①、②、③全ての住所移転の経過を証する書面である

2016/11/03

所有権登記名義人が住所を数回移転した場合の登記名義人住所変更登記の添付書類について

 

(要旨)登記記録上の住所Aから①A→B、②B→A、③A→Cと住所移転した場合の所有権登記名義人住所変更登記に添付すべき登記原因証明情報は、①、②、③全ての住所移転の経過を証する書面である。

(問題)所有権登記名義人が、住所を数回移転した結果、登記記録上の住所地に戻った場合には、登記名義人住所変更登記を申請する必要はない(登記研究第379号91頁)とされているところ、以下のように住所を複数回に渡り移転した所有権登記名義人の登記名義人住所変更登記を申請する際に添付する住民票等の登記原因証明情報の取扱いについて。

登記記録上の住所 A
①1度目の住所移転 A→B、
②2度目の住所移転 B→A、
③3度目の住所移転 A→C

上記①~③の全ての移転の事実を証明すべきとの意見もあるが、前記登記研究の趣旨としては、所有権登記名義人が登記記録上の住所地から数回住所を移転したとしても、最終の住所地が登記記録と同一であれば、その間の住所移転の事実を証明する必要はないというものであり、その趣旨に照らせば、前記所有権登記名義人住所変更登記の登記原因証明情報は上記③の移転の事実を証明すれば足りるものと考えますが、いかがでしょうか?

(協議結果)上記の「登記研究」の事案は、A→B、B→Aという住所移転があった場合に、そもそも住所変更登記を行う必要性があるか否かという点が問題になった事案であって、住所移転を証する書面の添付を要しないという趣旨ではない。
 したがって、本件のようなケースでは、先例(昭和32年3月22日民事甲第423号民事局長通達)のとおり、全ての住所移転履歴の証明書を添付するべきである。添付された住民票等に記載された住所を定めた年月日と従前の登記の受付年月日とを照らし合わせ、整合性が取れなければ、補正の対象になり得る。

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