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この自筆証書遺言で、登記申請できる?-2-


この自筆証書遺言で、登記申請できる?-1- からの続きです。

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相続書類の収集、法定相続人のスケジュールの調整等に少々時間を費やし、半年後。
テレビのニュースキャスターは今朝は今年一番の冷え込みと伝えています。
いよいよ家庭裁判所での遺言書の検認手続期日。
封筒から出てきたのが、この遺言書です。

  遺言の事

1.○○夕義の不動土地は長男△△に渡します
1 その他の事 物品及金等は長男△△と長女□□で二分して下さい

  平成●年●月●日
                  安倍 〇○ ㊞

B5サイズの縦罫線入りの便箋一枚。
内容は、原文そのままですが、実際は縦書きで筆ペン使用、達筆ではありますが読みやすい字体でした。(名字は仮名です)

う~ん、随分とあっさりした遺言書です。
検認手続きは済ませましたから、あとは、登記申請に添付できる内容かどうかが問題なんですが。

いくつか、疑問点が...。

1.遺言者の住所の記載がないが、遺言者を特定できるのか?

2.「夕義の不動」は、「義の不動」の誤記であると推測できるが、遺言内容に影響を与えるか?

3.「○○名義の不動産土地」で解釈できたとして、その表現で財産が特定できるか?(相続財産には建物もある。)

4.「長男△△に渡す」の表現は、相続させるという意味と解せられるか?

1、3、4については、まあ何となくに先例があったなと思いましたが、2の誤字はどうでしょうか?
常識的に考えれば、明らかに「義の不動」と書きたかったのは間違いないでしょうし、遺言内容そのものの解釈に影響を与えるとも思えません。管轄局の登記官との打ち合わせの結果も問題なしとのことで、無事に登記が完了しました。

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氏の記載がなく名のみについて記載のある自筆遺言証書による所有権移転登記の可否(登記研究671号)

要旨 遺言者の名だけが自署された自筆遺言証書であっても、遺言者本人を明確に示している場合には、これを添付してされた所有権移転登記の申請は、受理される。

問  左記自筆遺言証書(検認済み)による所有権移転登記は、遺言証書に遺言者の名が自署されているものの、氏の記載がないため受理されないと考えますが、いかがでしょうか。
      記
    遺 言 書
土地及び建物のすべてを長男の太郎名義にすること。
平成十五年十月一日
太郎 様
    母 花子より 氏の印

答  遺言者本人を特定することができないとする特別の事情がない限り、受理することができるものと考えます。

遺言による所有権移転の登記(登記研究548号)

要旨 遺言による所有権移転の登記をする場合において、遺言書に遺言者及び相続人の住所の記載がない場合であっても、登記名義人と遺言者との同一性が認められるときは、相続による所有権移転の登記の申請は、受理される。

問  遺言者所有の全財産を、甲野花子に相続させる旨の遺言による所有権移転の登記をする場合において、当該遺言書に遺言者及び相続人の住所の記載がない場合であっても、遺言者の所有権に関する登記済証の添付があるか、又は添付された戸籍謄本の本籍若しくは戸籍の付票の住所と登記名義人の住所が符合する等により登記名義人と遺言者の同一性が認められるときは、相続による所有権移転の登記の申請は、受理されるものと考えますが、いかがでしょうか。

答  御意見のとおりと考えます。


受遺者の氏名に誤りがある遺言書を添付してする所有権移転登記の可否(登記研究369号)

要旨 遺贈による所有権移転の登記申請書に添付された遺言書(公正証書)中、受遺者の氏名が住民票の写しの記載と相違する場合であっても、同一人であることが確認できれば、当該申請は便宜受理して差し支えない。

問  遺贈による所有権移転登記申請書に添付の遺言書(遺言執行者の選任されている公正証書)に記載されている受遺者の氏名(甲野カヅエ)が、申請書に添付された住民票の写しの記載(甲野カズヨ)と符合しない場合(ただし、住所、生年月日は符合する)、市区町村長からの不在証明書の添付があれば、受理してよいでしょうか。

答  所問の場合、受理して差し支えないものと考えます。

遺言による相続登記の登記原因(登記研究357号)

要旨 共同相続人の1人に相続財産の一部を、他の1人に残りの相続財産の一切を相続させる旨の記載のある遺言書に基づく所有権移転登記の登記原因は、「相続」である。

問  共同相続人の1人に対し、相続財産の一部を、他の1人に対し、残りの相続財産の一切を相続させる旨の遺言に基づく所有権移転登記の登記原因は、「遺贈」とすべきか「相続」とすべきか。

答  所問の遺言の内容は、相続分を指定したものと思われるので、「相続」とすべきと考えます。

遺言による所有権移転登記の登記原因(登記研究512号)

要旨 「私のすべての財産は妻に渡す」旨の記載のある遺言書による所有権移転の登記原因は、「遺贈」が相当である。

問  「私のすべての財産は妻に渡す」旨の遺言書を添付して所有権移転の登記の申請をする場合、登記原因は「相続」としてよろしいでしょうか。

答  「遺贈」とするのが相当と考えます。

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2018/08/16

Posted by 4430